NO.4 パターソン 奇妙なバランスをもつ日常

 

こんにちは!お久しぶりにやってきました、山本の映画レビューです。

9月の頭に見に行った映画なので今更ではありますが・・・

今回ご紹介するのはジム・ジャームッシュ監督映画「パターソン」

ジム・ジャームッシュ監督の映画を見に行くのは「オンリーラヴァーズレフトアライブ」以来数年ぶりでした。

「オンリーラヴァーズレフトアライブ」は大好きな映画のひとつなのでいつか紹介したいと思っているんですが、ホットなうちに「パターソン」を先に紹介します。

非常にレビューしにくい映画です。パターソン。

なぜかって、一般的に想像されやすい映画っぽいことがおきません。

パターソンに住むバスの運転手パターソンの1週間の日々をただただ表現しています。何か起きるのではないか、このまま事件に発展するのではないか、不穏な音楽と独特なカメラワークでそう思わされ、、、なにも起きません。

ここらへんは主人公パターソンの心理描写もかねているのかなと思ったり、ジャームッシュっぽい(こんなこというと本気の方々に怒られそうですが)と思ったり。

ただ、何も起きていないなんてことじつはないのだとどこかで気がつかされます。小さな出来事が積み重なり日々がつくられ、毎日は繰り返しでも同じその日はやってこないのです。

また、穏やかではありながら、喜怒哀楽のある毎日をパターソンが過している事が分かります。

それは妻ローラとのやりとりからも伺え、彼女の行動に共感できずとも、彼女を愛している、彼女との時間を大切にしていることが分かりました。自由奔放、やりたいことはやる、やりたいようにやる、という彼女に対して最初はパターソンの気が弱いからがつんといえないのかな?これはなにか事件がおこるのでは?(起こらなかった)と思っていましたが、そうではなくそういった彼女を受け入れているのだと、その時間を大切にしているのではないでしょうか。

 

ここで「この映画は優しさと愛で溢れたささやかな日常を綴る映画です」としめたいところなのですが、そうはいきません。

やっぱりこの映画は所々シュールで、奇妙です。そしてとても魅力的に出来事が描かれているのです。

日常の細かい機微の描き方、カメラワーク、音楽、そして毎日綴られる詩

しつこいくらい見せられる繰りかえしの日常。

それらが不思議なバランスでこの映画をつくっています。

 

あと、パルムドック賞をとったネリーがとても良かったです。

クスリと笑える、そんな演技でした。ぜひ見て頂きたい!

受賞の数ヶ月前に亡くなったそうで、エンドロールにはその追悼のメッセージもありました。

 

映画の最後、大事なものをなくしたパターソンを救う日本人役で永瀬正敏が登場します。その中での彼の台詞

「詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びているようなもの」

とても印象に残る台詞でした。やっぱり日本人がでてるというだけで少しテンションがあがるのは仕方ないですね、笑

公開は終わってしまったと思いますが、DVDが発売になると思いますので、興味のある方は一度御覧下さい!

 

次回更新は早い段階でできそう(というかやりたい!)

楽しみに楽しみにしていた映画がもうすぐ公開です。

そのハリウッド映画にも日本の俳優が…。活躍に期待です!

 

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